複数の不動産会社から査定結果が届き、いよいよ売却を任せるパートナーを決める段階になりました。
「一番高い査定価格を出してくれた会社にすれば間違いないのでは?」そう考える方も多いかもしれません。しかし、不動産売却の成功は、単純な査定価格の高さだけでは決まりません。
あなたの希望に寄り添い、大切な資産を最高のかたちで次へつなぐための販売活動を、責任を持って行ってくれる「信頼できるパートナー」を見つけることが何よりも重要です。ここでは、後悔しない不動産会社選びのために、プロが必ずチェックする5つのポイントをご紹介します。
ポイント1:査定価格の「根拠」は明確か
最も注意したいのが、根拠の曖昧な高い査定価格です。これは、まず契約を結ぶことを目的に、売主の期待を煽るための営業テクニックである可能性も。
- 「近隣のこの物件が〇〇円で売れたので」「このお部屋の日当たりは高く評価できます」など、良い点・悪い点の両方を踏まえた上で、なぜその査定価格になったのかを、査定報告書を用いて具体的に説明してくれましたか?
- あなたの質問に対して、曖昧な返事ではなく、納得のいく答えをくれましたか?
ポイント2:販売戦略は具体的で、あなたに合っているか
「インターネットに載せておきます」だけでは不十分です。あなたの物件の魅力を最大限に引き出し、購入を希望する人に届けるための具体的なプランがあるかを確認しましょう。
- どの広告媒体(ウェブサイト、チラシなど)を使い、どのようなターゲットに、どうアピールするのか、具体的な販売戦略を提示してくれましたか?
- 物件写真の撮り方や、アピールポイントの伝え方など、売却活動へのこだわりや工夫が感じられますか?
- 「早く売りたい」「高く売りたい」といった、あなたの希望に沿った提案をしてくれていますか?
ポイント3:担当者の専門知識と「相性」は良いか
不動産売却は、数ヶ月にわたる長い付き合いになります。担当者は、あなたの代理人として買主と交渉する重要なパートナーです。
- 担当者は宅地建物取引士の資格を持っていますか? 不動産取引や法律、税金に関する質問にも的確に答えられる専門知識はありますか?
- レスポンスは早いですか?あなたの話を親身に聞き、不安に寄り添う姿勢はありますか?
- 何でも気軽に相談できる、人としての信頼感や相性の良さも大切な判断基準です。
ポイント4:物件の「強み」と「弱み」を正直に伝えてくれるか
良いことばかりを並べる担当者には注意が必要です。プロであれば、客観的な視点で物件のメリット・デメリットを把握しているはずです。
- 物件の魅力だけでなく、「この点は購入希望者が気にするかもしれないので、こうやってカバーしましょう」といった、弱みに対する具体的な対策も一緒に提案してくれましたか?
- 正直な情報提供は、誠実な営業姿勢の表れです。
ポイント5:会社の規模だけでなく「得意分野」も確認する
大手だから、地元で有名だから、という理由だけで選ぶのは早計です。会社ごとの「得意分野」を見極めましょう。
- その会社は、あなたが売却したい**エリアでの取引実績が豊富**ですか?
- マンション売却、戸建て売却、土地売却など、あなたが売却したい**物件種別の取り扱いを得意**としていますか?
まとめ
不動産会社選びは、「査定価格」という一つの数字だけで決めるのではなく、「査定の根拠」「販売戦略」「担当者との相性」といった複数の視点から総合的に判断することが成功の鍵です。
今回ご紹介した5つのポイントを参考に、最も信頼できると感じた一社を選んでみてください。